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@パークス法律事務所
生存権裁判全国弁護団会議【2011年5月7日】
 最高裁や各地裁、高裁に訴訟が係属している生活保護の老齢加算廃止の取消請求訴訟(老齢加算の復活の要求)を支えている全国各地(秋田、広島、新潟、福岡、青森、神戸、京都、東京)の弁護団の合同会議が5月7日に東京で開催されました。会議の進行は、すごい弁護士の一人で同期の竹下さんが担当です。

 焦点は、老齢加算の廃止を違法として原告の請求を認容した福岡高裁判決とその逆の結論の東京高裁判決が共に係属している最高裁の行方です。

 東京で突破する予定が、逆に先頭を切って敗訴判決をもらってしまい、全国に迷惑をかけていますので、全国の助力を得て、なんとか最高裁で良い結果をと思っています。

 各地の報告を聴いていると、原告(老齢加算廃止時の2006年に70歳以上の方ですから、最年少の方でももう75歳です)の方の中には、裁判所に出向いたり、様々な企画に参加することが厳しくなってきている人が増えています。一日も早く朗報を届けたいと思っています。

 今日は、軽度外傷性脳損傷の患者と担当してもらえる弁護士とのコーディネートと国技館での会議もありましたが、これは後ほど改めて報告を・・・・
posted by koichi | 22:21 | 社会保障・生存権 | comments(0) | trackbacks(0) |
ケアポートみまき訪問
 1月21日(金)午後は、長野県東御市にあるケアポートみまきを訪問しました。地域の保健・医療・福祉のニーズを満たすさまざまな機能をあわせもつ“多機能施設"として、地域の人の“交流の場"となるようつくられた施設です。


 次の施設から構成されています。
・ 介護老人福祉施設事業・老人短期入所事業・訪問介護等事業の「ケアポートみまき」
・ 「一般財団法人身体教育医学研究所」
・ 「温泉アクティブセンター」
・ 「東御市立みまき温泉診療所」
・ 通所介護・デイサービスセンター「きたみまき」
・ ホームヘルパーステーション「みまき」
・ グループホーム「ほのぼのホーム」
・ 通所介護・デイサービスセンター「あぜだ」
 「運動指導や介護等現場での事故発生に関する法的配慮事項の学習会」の講師として訪問したのです。介護施設の職員とプールを中心としたスポーツ施設の職員を対象とした事故予防に関する学習会です。
 中心テーマは、転倒・転落事故予防とプール事故予防ですが、入会契約時の問題、利用制限に関する問題、駐車場管理の問題、ロッカー管理の問題等もリクエストがあったので判例や事例を中心にお話しを担当しました。

 学習会の前には40分ほどかけて施設の見学。ソフト、ハードの両面ですばらしい総合施設に感心しました。

 特別養護老人ホームの入居者と職員の比率は、1.67:1との説明。民間老人ホームに勤務している長女の施設では4〜5:1ということで、長女は、ため息をついていました。
posted by koichi | 13:04 | 社会保障・生存権 | comments(0) | trackbacks(0) |
生活保護老齢加算復活を求める国会前の行動
 11月1日から、生活保護の老齢加算(70歳以上の高齢者に認められていた加算金)の復活を求める全国行動が始まっています。
 1日は、他の事件の関係で参加できませんでしたが、2日は、昼休みを使って短時間でしたが参加をしてきました。2日には新潟から大澤弁護士もかけつけてくれました。4日も短時間でも参加しようと思っています。
 原告は70歳以上の高齢者ばかり。国会前での集まりの後、分担をして各政党の国会議員に訴えに回っています。



 老齢加算廃止をめぐっては、
○ 廃止を違法とした2010年6月14日福岡高裁判決
○ 廃止を適法とした2010年5月27日東京高裁判決
とが、共に最高裁に継続しています。
 争点などは、葛西まゆこ大東文化大学准教授(憲法学)の『老齢加算廃止に関する初の違法判断』(法学セミナー2010年11月号)をご覧下さい。
 原告はいずれも70歳以上の高齢者の方々です。すでに、裁判の途中で亡くなっている方もおられます。早期に老齢加算の復活をなんとしても実現して、高齢者の方々の喜ぶ顔を見たいと願っています。
posted by koichi | 22:02 | 社会保障・生存権 | comments(0) | trackbacks(0) |
典型的なワーキングプア
   昨日、日本相撲協会で打合せをしている時に、事務所から携帯電話にE-mailが入りました。

 被疑者国選弁護(所持金103円の若者の万引き事件)を担当しているのですが、担当検事から、至急電話を欲しいというメッセージでした。
 何事かと思い、打合せを中座して、担当検事に電話をすると、「明日起訴猶予で釈放する予定だけど・・・・」という連絡でした。

 高校卒業後は、自動車関連工場で働いていて、プログラミングの仕事をしていた人です。基本給16万円という給与体系でありながら、長時間の残業をこなして、30万円以上の給与を得ていたのですが、ストレスから胃潰瘍になって2度病気治療で欠勤をしたら、それを理由に解雇されたそうです。

 「なぜ、その時おかしいと言わなかったの」と尋ねると、他にも仕事はあるだろうと楽観していたそうです。

 しかし、リーマンショック後の不景気で、なかなか定職に就けませんでした。不安定な仕事を転々としていたのですが、最後の会社から「もう仕事がない」と言われた時には、会社借り上げアパートに住んでいたので、そこを出ざるを得ず、住まいがなくなり、住所不定に。

 父とは死別し、母からは児童虐待を受けて、児童養護施設で育ったという経過があるため、家族の援助を受けられないという事情もありました。

 逮捕事実の万引きも、どう見ても、警察に保護を求めるためにやったような印象です。

 このような人ですから、「釈放されてよかったね、さよなら」というわけにはいきません。

 釈放時には検察庁に行き、保護観察所で、当座の移動費などを得て、社会福祉事務所に繋いで、当面の住居と生活費と仕事を確保する段取りを組まなければなりません。

 そうでなくても、日本相撲協会の関係でメチャクチャな日程になっているところに、「25日10時、東京地方検察庁に行くの・・・・・」。

 刑事事件で困るのは、基本的に自分で動かなければならず、代理がきかないのです。なんとか遣り繰りして、10時には東京地方検察庁に行きました。

 保護観察所の担当調査官が、なかなか配慮がある方で、色々なアドバイスをしてくれました。

 その後は千代田区の社会福祉事務所を訪ねました。ここも親身に相談にのってくれました。
 結論としては、路上生活者自立支援センターを経て、自立を目指すことになりましたが、空きがないので、とりあえず、寝泊まりするところとして低額宿泊所の現物支給を受けることになり、
 寝る所
 金〜日の食費3,000円
 南千住(低額宿泊所)までのメトロの切符
をもらい、九段下⇒秋葉原までは一緒に地下鉄に乗り、送り出しました。
 
 典型的なワーキングプアです。
 就労意欲があるので、
ちゃんとした仕事さえあれば、自立できるのに、職がないために生活保護を受け、国家財政が一層厳しくなるという、国の貧困化の原因の一つでもあります。
 
 過労死しそうな長時間労働を放置せず、厳しく規制することで、雇用を創出してワーキングプアを無くし、生活保護受給者を減らすという政策がすぐれていると私は思うのですが・・・。

 ところで、この国選事件は、私のところに来ている現行64期司法修習生のための事件ですが、修習生は本日は研修旅行・・・。私が、修習生に代わって、生活保護申請同行制度を勉強したしだいです。(;。;)


posted by koichi | 20:38 | 社会保障・生存権 | comments(0) | trackbacks(0) |
やっと突破しました
 いやーーようやく突破しました。
 生活保護の老齢加算廃止は憲法25条に違反するとして行政訴訟を提訴して3年。
 後発の東京でしたが、いろいろな経過はあったにしても、先行する京都や広島を差し置いて最初に判決を迎えることに。

 当然勝訴判決を期待していたのですが、判決は、敗訴。

 その後の各地の地裁の判決に悪影響を与えたのは間違いありません。

 東京が先行する予定ではなかったのですが、いくつかのボタンの掛け違いから、不用意な敗訴判決を得てしまいました。
 さすがに、落ち込んでいたここ数年でした。

 他力本願ですが、福岡高裁頑張って!!と福岡弁護団に応援を送っていました。

 勝訴判決を携帯電話に連絡してくれた高木先生(福岡弁護団)の第1報には思わず、涙ぐんでしまいました。

 福岡の弁護団のみなさんには心から感謝しています。

 この判決を契機に、高齢者いじめの行政を転換させましょう。上告させないたたかいを、この2週間悔いのないように闘いたいと思っています。

posted by koichi | 22:10 | 社会保障・生存権 | comments(0) | trackbacks(0) |
高齢者問題から貧困を考える
 高齢者問題から貧困を考えるシンポジウムが6月10日弁護士会館で行われました。



 講演は、山梨大学医学部の近藤尚己先生が担当されました。経済的な格差が、そのまま健康度に反映しているという調査結果を踏まえての報告で説得的な講演でした。  

 参加をしている全国の弁護士の中で、竹下さん(京都)、我妻さん(広島)、虻川さん(秋田)と司法研修所同期が3人です。うっかりすると3人とも東京在住の同期の弁護士よりも東京で会う機会が多いので、普通の仕事は何時しているのだろうかと思ってしまいます。

 頼りになる研修所同期の弁護士たちです。


posted by koichi | 13:50 | 社会保障・生存権 | comments(0) | trackbacks(0) |
すごい弁護士
 私の回りには「すごい、かなわないなーー」という弁護士が多くいます。

 その一人が、竹下義樹さん。京都弁護士会。司法研修所36期。

 1982年に司法研修所で一緒したのが初めての出会いでした。

 1980年までは点字での司法試験受験は認められていませんでした。
 竹下さんは、点字での受験を認めないのはおかしいと、法務省を動かし、点字での司法試験受験を認めさせ、最初の点字受験での司法試験合格者となった人です。

 司法研修所時代は、私の自宅にも遊びに来てもらったり、私のかみさんも含めてのあれやこれやの付き合いでしたが、弁護士登録後は活動する場が、東京と京都と違ったこともあり、活動ジャンルが、過労死・職業病分野で仕事をしていた私と、社会保障関係の事件に取り組んでいた竹下さんとでは、接点が少なくなっていました。

 それが、再び接点となったのが生存権裁判でした。

 東京の生活と健康を守る会の活動をしていた友人から、2006年に「生活保護の老齢加算が廃止された。京都や秋田では裁判で闘っているが、東京でもこれから取り組みたい・・・」という相談が。

 これは、「竹さん(昔からこう呼んでいました)に相談しないと・・・」と、その場で、竹下さんに電話をしたところ、「援助はしてやる、おまえが東京弁護団は立ち上げろ」とのお言葉。

 そこで、新井章先生、黒岩哲彦先生などに相談をし、あちこち走り回って、東京弁護団を立ち上げました。

 このような経過で、生存権裁判の全国弁護団会議や、東京弁護団でも竹下さんと一緒に仕事をすることになりました。

 そこで、しみじみ、竹下さんはすごい!!と改めて感心することに。

 書類を読めないというのは、私たちの仕事にとっては本当にハンディです。会議で配布される資料は、その場で目を通すことはできないのですから・・・。それを乗り越えて、京都の事件を差配するだけでなく、全国を飛び回っています。

 本当にスーパーマンの弁護士です。

 
posted by koichi | 22:27 | 社会保障・生存権 | comments(0) | trackbacks(0) |
高齢者の貧困問題を取り上げた2つのシンポジウム


 高齢者の貧困問題を取り上げた2つのシンポジウムが計画されています。  2010年5月27日の老齢加算廃止の取り消しを求めた東京高等裁判所判決は、生活保護基準以下の生活をしている貧困層が存在することを理由の一つとして、老齢加算の廃止は厚生労働大臣の裁量権の逸脱はないとしています。  生活保護基準以下の世帯の存在は、生活保護の支給を拒んでいる行政の姿勢が問われるべきものであり、生活保護基準の切り下げの根拠にはならないはずです。  このような貧困のスパイラルをどこかで断ち切らなければという視点からのシンポジウムです。  参加をお待ちしています。
posted by koichi | 07:24 | 社会保障・生存権 | comments(0) | trackbacks(0) |
明治公園+明治神宮
  天気も良いし、午前中に細々した用事を済ませて、昼から明治神宮に散歩に行くことにしました。

 明治神宮に行くなら、明治公園で午後に予定されていた「まともに生活できる仕事を! 人間らしく働きたい! 全国青年大集会」にもちょっと顔を出してなどと思って、千駄ヶ谷⇒明治公園⇒明治神宮というしっかり散歩となりました。

 明治
公園に到着した時には、ちょうど建設労働者の人たちが舞台に上がって訴えていました。黄色のつなぎが目立ったな・・・。粋だね。

 「自己責任」が強調される中で、苦境に陥っても、自分がいけないのかと思う若い人が多いとか・・・。「毎月1500万円の小遣いがもらえるのは『自己責任』ではないぞ!!」

 応援しているよ。

 過労死するほど忙しい人がいる一方で、働く意思があるのに仕事がないという日本はやはりお
かしいと思いながら話を聞いていました。

 宇都宮さん(弁護士、貧困ネットワーク代表、日本弁護士連合会会長)の話も聞いたところ
で、集会を失礼して、明治神宮に移動。

 明治神宮は思いの外、多くの人がいて、ほこりっぽいのが難でしたが、芝生広場はまあまあの人でのんびりでした。

 天気が良い休日の一日でした。



posted by koichi | 18:54 | 社会保障・生存権 | comments(0) | trackbacks(0) |
働く世帯の10%は生活保護以下の所得
  働いている世帯で、生活保護基準以下の所得の世帯数が10.4%、その内生活保護を受けているのが3.3%(ということは残りの7.1%は生活保護基準以下で生活をしている)という調査結果が報道されています。

 生活保護費の老齢加算廃止、母子加算廃止では、生活保護基準以下で生活している人の存在を理由の一つにされています。

 このような「貧困とは何か」「健康で文化的な最低限度の生活」という議論を抜きに、相対評価を進めると、
    《生活保護基準以下の生活者の存在⇒生活保護基準の切り下げ⇒広範な貧困の放置》
という生存権保障の理念が失われることになると思っています。

 一方で、過労死・過労自殺を強いられるような状態がありながら、十分な生活費さえ得られない雇用状況が放置されているのは異常なのではないかと思っています。

 労働時間に関する法規制を遵守させることで過労死・過労自殺を予防し、過労死・過労自殺しないように仕事を分かちあえば雇用は拡大しますし、生活ができるだけの最低賃金を保障することで貧困を減らせますし、生活保護費支給対象者も減らすことによって、国家財政を健全化するということはそんなに難しくないと思うのですが・・・・。

 来週からは、老齢加算復活に向けた国会前の行動があります。全国の原告団・弁護団も上京します。国会議員の方々は、「長年の友の葬儀には香典をもって参会したい」というささやかな原告の方々の思いを聴いて、この声を実現してもらいたいと思っております。
posted by koichi | 11:44 | 社会保障・生存権 | comments(0) | trackbacks(0) |