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@虎ノ門協同法律事務所
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大槌町ボランティア顛末記
【何をしに行ったのか

 弁護士会レベルでは、東京にある弁護士会(三会)は、東京に避難をしてきている被災者と被災県の弁護士会の後方支援を担当しており、被災地にとどまっている被災者のニーズに応える仕事は現地弁護士会という役割分担となっています。

 東京の弁護士会として、この役割だけで良いのか、現在の体制で、被災地の市民のニーズに答えられているのだろうか?という問題意識がありました。しかし、現地の実情を把握しないままでは机上の議論となってしまうため、現地の状況を把握しようというのが企画の意図でした。

【当初計画


 8月6日。東京を始発(東京6:04発)の新幹線で出発し、新花巻乗り換えで、遠野に入る。遠野市災害ボランティアセンターで登録し、宿泊は、体育館(寝袋)。2日間ミッチリ、沿岸部被災地でボランティア活動。8月7日終電(東京着23:44着)で帰ってくる。というのが当初提示計画です。ボランティアの活動としては当たり前のスケジュールらしいのですが、これを聞いてヒエー。

【当初計画修正


 参加予定は約10人。アラカンの私より先輩(アラカン越えの方もいます)が斎藤、標、黒岩、森田と4名います。
 参加者の年齢と普段の不摂生を考慮すると、当初計画では、睡眠不足と疲労で、活動中に熱中症で倒れて現地に御迷惑をかけかねないという声が・・・。せめて前日夜には現地に入って、布団の上で寝られるようにしようということになり、調整をしました。前日に入ることは本人が努力すればなんとかなるにしても、復旧・復興関係の人で宿が一杯なのに、この時期は、インターハイも重なり、寝袋は避けがたいか!!との状況に。

 そこに救世主が。岡村親宜弁護士が渓流釣りのベースキャンプに使っている大迫町亀ヶ森の岩魚庵(昔の農家を買い受けたもので、20人程度まで寝られる。布団も10組はある。)が借りられることに。これで布団もゲット。安堵の声が。

【コンビニエンスストアがない


 参加予定者のキャンセルもあり、前泊組は7名に。新花巻19:54着の新幹線で、新花巻現地集合。20時までが営業時間の日本レンタカーに行き、2台のレンタカーをゲット。岩魚庵までは30分弱。就寝前の夜食と翌日の朝食分は、途中のコンビニエンスストアで確保し、と思っていたのですが、1軒もなし。これはまずい!!なんとか、亀ヶ森の酒屋によってパンと煎餅類をゲットして岩魚庵に。
 


 そしたら、岩魚庵を管理してくれている管理人が、我々のために、岩魚の燻製(釣り人岡村親宜さん)や地元の新鮮な野菜をそろえ、ビールも十分な量を確保して迎えてくれました。
 いやー助かりました。
 囲炉裏に火をおこし、順に広い風呂にも入れて、岩魚の燻製でビールも進みました。

【いよいよボランティア登録


 翌日は、6時起床。1時間弱の走行で、8時過ぎには遠野で先行する貞弘弁護士(元遠野ひまわり基金法律事務所所長)と合流し、遠野市災害ボランティアセンターでボランティア登録。


 ボランティア保険加入は必須条件なので、参加者は東京でボランティア保険も事前加入しておきました。



 当日朝から参加の山川弁護士の到着(遠野10:09着)を待って、大槌町に出発。

【カトリス隊に合流
】 

 遠野から釜石を経由して大槌町に。約1時間です。未だ復旧中で片側交互通行や信号機が動いておらず警察官の交通整理の場所もありました。それでも、被災直後とは比べられないほど復旧がすすんでいました。

 建物はかろうじて残っているが営業している店がほとんどない釜石市中心部の商店街、大勢がなくなった大槌町役場などは残されたままです。



 大槌町の南側にあるローソン大槌バイパス店の駐車場でカトリス隊と合流。カトリス隊は、役場から仮設住宅に入居をした人たちへの電気蚊取り器カトリスの配布の委託を受け、配布しながら、被災者のニーズなどを聞き取りをする作業班です。現在は、レンジ台、下駄箱などの仮設住宅への配布も担当しています。

 このローソンも津波で被災したのですが、いち早く再建されたものです。大槌町では、ボランティアが唯一食料や水を購入でき、トイレを使える貴重な存在です。このローソンが再建されるまでは、釜石ボランティアセンターから出て、そこに戻るまではトイレもなしだったのかな?尋ね忘れてしまいました。

 7日には、標兇気鵑、やはり大槌町に入っていた東京弁護士会の児玉晃一さんとこのローソンでバッタリ会ったそうです。
唯一の補給場所ということがよくわかる話です。

【活動開始】

 コンビニエンスストア近くの使われていない駐車場の日陰にブルーシートを広げて、おにぎりなどの昼食を食べてから、支援物資の中間保管場所の大槌北小学校へ。
 


 大槌北小学校1Fの窓は津波で壊されてほとんどありません。倒壊の恐れのある建物ということで建物の中は立ち入り禁止。中間保管場所は、ヘルメット着用者のみ立ち入り可となっています。
 外壁の時計が3時16分で止まっているのは、津波の到来時刻でしょうか?

【2隊に分かれて行動開始


 総勢9名の我々は、3名が日本赤十字社のメンバーと、6名がカトリス隊と同行。
 黒岩、置塩、私の3名は、大槌第9仮設団地で、日本赤十字社メンバーが個別訪問で、健康指導をするのに同行して、困りごとなどニーズの掘り起こし。仮設に入居してまだ数日。引っ越しの後片付け中で、目の前のことで精一杯というところですので、「困りごと?」というような段階でした。健康指導に同行でしたので、独居高齢者を中心に訪問しました。

 ランダムですが、被災者の状況は以下のとおりです。
・ 日本赤十字社6点セットは配布されたが、電子レンジはまだコードも接続されていなかった(1/5)←高齢者で、今までのものとタイプが違うので、どう使って良いかわからない様子。使い方を説明

・ 配布された掃除機を組み立てていなかった​(2/5)。←その場で組み立てて使用方法を説明。

・ 扇風機は低くならない大型タイプ(立派なもので、床に座る生活向きでないタイプ)で使いずらい(多数)←担当部署に情報を伝えて、改善可能なら対応を要請。

・ 会話はテレビが相手。ほぼ終日、室内でテレビを見ている(2/5)。地上波はバカな番組しかしていない。BSは自分でアンテナ設置しないといけないと言われているのでまだ見られない(1/5)。←従前の集落ごとに仮設に入居しているわけではないので、話し相手が少ないのが原因。自治会の立ち上げ、集会室(談話室)の活用が必要。今後の課題として問題提起。

・ 仮設住宅の中に未入居世帯があるので、全戸入っていないという理由から集会室(談話室)が使えない(鍵が引き渡されない)。←担当部署に要望を伝え改善を要請。

・ 昨日、町の説明があった。この計画では、生きている内には、元の場所(海岸の近く)には戻れないことがわかった。ここ(仮設住宅)が死に場所だと思っている。←声のかけようがなかった(・_・、)

【ミーティング

 それぞれのグループが15〜16時頃には、作業を切り上げて、釜石ボランティアセンターでのトイレ休憩をはさんで、17時頃までには遠野ボランティアセンターに帰着。
 カトリス班の情報集約のミーティング、ボランティア全体のミーティング、リーダーのミーティングと19時30分頃まで会議が続きました。
 ヒューマンライツ・ナウの活動で大槌町に相談に参加していた中川さんたちとは、リーダーミーティングでお会いすることができました。

 会議終了後、ボランティアを対象とした介護保険の基礎知識の講義。30分ほど高木弁護士が講師。参加者は少数でしたが、なかなかポイントを押さえた講義でした。



 その後は、貞弘さんお薦めの店で夕食後、岩魚庵へ。
 帰ったら、22時過ぎ。運転を担当してくれた若手に先に入浴してもらい、運転の疲れを落としてもらいました。

 遠野ボランティアセンターには、100〜200名程度のボランティアが宿泊して活動しているということですが、仮設のトイレは4か所。シャワーは、1人15分で予約制。なかなか毎日というわけにはいかないということです。体育館で宿泊しているボランティアの方々の環境に比べれば、私たちは、好条件で参加しているので、思わず、ゴメンナサイと言いたくなってしまいます。

【2日目の朝礼


 2日目の8月7日は、遠野ボランティアセンターで、7時30分から朝礼があり、そこでの打合せ後、活動に入ります。そこで、6時前には起床。6時半には、岩魚庵を後にして、途中のコンビニエンスストアで朝食を買って、車中で食べながら遠野ボランティアセンターに。

 2日目は3班に分かれて活動。黒岩、置塩、私は、カトリス隊(カトリスの配布は概ね終了したので、「御用聞き隊」にするかという話題も)に参加。レンジ台と下駄箱を配布しながら、ニーズ調査に。他の2班は、標・高木班、斎藤・森田班。山川さんは、別な震災の関係行事で、朝礼後一足先に東京へ。

【配布対象物が届いていない!


 カトリス隊と共に、前日に引き続き、大槌北小学校に移動。レンジ台と下駄箱を積み込む予定。ところが、届いていない!!!! 現地もまだ混乱が納まっておらず、前日に納品されているはずのものが納品未了。どうするかを検討するために、一旦待機。


 大槌北小前の大槌川では、がれき撤去隊が川の中のがれきの撤去をしていました。けがのないようにね(がれき撤去隊は、ガラスがあったり、鉄筋でけがしたりいろいろ危険があります)。
 結局、予定していた物品は届かないということで、午前中は、カトリス配布未了仮設住宅へのカトリス配布。午後は、在庫としてあるだけの物品をとりあえず届けることになりました。

 このようなトラブルはこの日がはじめてではなく、しばしば生じているということでボランティアの力を無駄にしているのが残念です。みな一生懸命にやっているのだとは思いますが、改善すべき点はまだまだありそうです。

【寒冷地仕様の仮設住宅と普通の仮設住宅


 8月7日は、子どもや犬と一緒の世帯が中心の仮設住宅に。1つの団地は、寒冷地仕様の二重窓、入口も積雪があっても大丈夫な対応でしたが、もう1つの団地は、東京でも見ることがあるような普通のプレハブ。冬が心配です。一頭の犬は、前足の1本を失っていました。地震の関係でしょうか。

【困りごと相談


 私が訪問したところでの困りごと相談は、自動車が流された相談が2件。ローンをどうするかと、自動車関連の税金の免除の相談でした。前日に引っ越してきた方でしたので、大まかなところを説明して、落ち着いたところで、岩手県弁護士会が大槌町で開催している無料法律相談で対応するようにと助言をしておきました。相談することが今思いつかないという人にも岩手県弁護士会の無料相談一覧のチラシを置いてきました。

【現在の無料法律相談

 岩手県弁護士会は、総勢83人。沿岸部は、大船渡市2名、釜石市3名、宮古市4名、久慈市1名。大槌町では、週3日、13〜17時で法律相談をやっています。他の被災地でも、無料法律相談は行われていますので、地元弁護士会の負担は大きいだろうなと思っています。

【少し早めの帰京

 各班ごとのミーティングまでは参加。全体ミーティングはパスして、1つ早い新幹線に乗って東京23時4分着。いやーーくたびれました。

【ハプニングも


 新花巻に向かう途中でレンタカーのガソリンを満タンにしなければならないのですが、カーナビに任せておいたら、山の中のショートカットの道を選択。予定していたガソリンスタンドの前を通らないことに気がつき、狭い山道を1kmほどもどらないといけないことになりました。
 方向転換中に、1台が側溝に脱輪。総勢7人でしたので、全員で最後の力仕事。特に問題なく復旧。お疲れさまでした。一人くらい欠けても脱出できたので、写真を撮っておけば良かった!!話の種になったのに(後悔)。

【気概と能力の高いボランティアたち

 ボランティアは、基本は団体登録です。この2日間だけでも、大学や自治体が、バスを仕立てて、まとまった人数で参加しているケースも多くありました。
 遠野ボランティアセンターの特長は個人でのボランティア参加が可能だという点です。学生、社会人など様々な方がボランティアに来ています。一緒させて頂いて、志が高いだけでなく、本当に優秀な方々だと感心しました。
 日本の将来については暗い話しが多いですが、彼らがいるなら大丈夫と思っての2日間でした。

【これから
 私たちのこの2日間の現地での感想は、
(1) 被災者のニーズはある、
(2) 役所で相談を待つだけでなく、仮設住宅などに出向くなどの積極的な活動が必要だ、
というものでした。
 市民のための弁護士会活動が期待されていると思っています。
posted by koichi | 10:52 | 弁護士会 | comments(1) | trackbacks(0) |
コメント
南高校同窓の石原です。

ボランティアお疲れ様でした。

私は一泊二日で泥だしに参加しました。

何ができるかはいろいろでしょうが、現地に行きじかに目で見て体感することが大事だと思います。

2011/08/09 07:17 by 石原 剛
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