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@パークス法律事務所
「どうして場所を開催するの」という質問に答えます
 
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どうして開催なのですか?あれだけの事をしてあの程度の処罰ですか?(略)
甲子園球児は、仲間がタバコを吸った、監督が暴力をふるった、これだけで甲子園参加を見送ります。夢の甲子園を目指して一生懸命練習をした球児は甲子園を諦めます。これこそ、まじめに精進している球児はあまりにかわいそうです。
高校野球は3年間のみです。ですが、大相撲はどうですか?一人二人ではありません、何十人です。それでも参加・開催です。プロとアマとは違いと言われそうですが、スポーツという点、公正なルールの下でおこなうのは同じです。
一度位、本場所で力を試さなくても、次で十分力が試す事が可能です。休場力士、朝青流をみれば分かります。
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 このような疑問が、寄せられています。

 私は、高校野球において不祥事があった場合の処分を審査する日本学生野球協会審査室の委員の一人でもあります。

 私の基本的なスタンスは、不祥事を起こした者がいても、これと無関係に努力をしてきたアスリートの力試しの場を奪うことは極力避けたいというものです。

 「学生野球の処分のあり方」で述べている基本的な視点です。
 
 阿武松部屋については、部屋全体として謹慎措置としました。高校野球で野球部に対する出場停止処分を科すことに該当するのが、この部屋全体への謹慎処分にあたります。

 7月場所をやめるということは、高校野球に例えると、夏の選手権大会(甲子園)を中止することにあたります。質・量の両面で看過できない不祥事があったとしても、不祥事と関係ない高校球児の力を試す選手権大会自体を中止するという判断は、基本的にありえないと思います。

 「スポーツ法と私(法の支配145,p74-86,2007)」の中で、紹介している「大邱ユニバーシアードのテコンドー日本代表派遣問題」での仲裁事件でも強く感じているところです。

 恐らく違和感があるのは、高校野球ですと純粋に「努力の結果を試す場」であると思えるのに対して、大相撲ですと、「努力の結果を試す場」と言うより、「興業」という印象が強いからでしょう。

 特別調査委員会の内部の議論では、場所の開催の是非についても議論をしました。世論の大勢に従えば、「場所を開催すべきではない」という結論をとるのが単純明快で、特別調査委員会としても負担が少ない結論なことはわかっています。

 しかし、まじめな力士たちの「努力の結果を試す場」を守りたいという結論になっています。

 この間の連続する不祥事(私の最初の日本相撲協会との接点は、白露山・露鵬の薬物問題でした)の中で、日本相撲協会に対する、あきれに近い怒りが渦巻いているのもよく理解できます。

 「『努力の結果を試す場』を守ります」という論理だけでは、現状を乗り越えられないことは当然で、ここの解決を誤ると、日本相撲協会自体が存続できないという結果になってしまいます。

 解決にあたる優先順位は、
第1に、若い力士たちを支える日本相撲協会を守ることであり、
第2に、「努力の結果を試す場」である場所の開催であり、
この2つが守られるなら、他の要因、例えば、「興業」の視点からのダメージなどは、譲っても良いと思っています。最悪の場合は、1番目を守るために、2番目を捨てる選択肢もないわけではありませんが、極力避けたいと考えています。

 NHKの中継の問題も、「放映権料」という視点であれば、返上することになんの躊躇もありません。しかし、相撲中継をしないという判断は、全国の相撲を愛する人たちが、相撲を見たいという機会を奪うことにもなりますので、この視点から慎重に対応しています。

 外部の理事・監事を含む特別調査委員会のみなさんの基本的な認識は共通だと思っています。

 ここ1週間弱の中で、私が一番苦労しているのは、日本相撲協会幹部の方々に私の考えを理解してもらうことです。国技館の外の常識を国技館の中に持ち込むことが一番の苦労です。

 日本相撲協会と7月場所を守りたいという気持は、同じなのに、そのためにやるべきことを提案しても、なかなか理解をしてもらえない、これが歯がゆい現状です。

 「腰が重いのは土俵上だけにして欲しい」と思わず愚痴りたくなります。

 かなりな緊張関係を持って毎日を過ごしているので、日本相撲協会広報関係者には、日々遺言を残すような気持で、メッセージを発信しているつもりです。明日の日本相撲協会に必要なことですから。

 日本相撲協会の仕事ができる間は、全力を尽くします。私が守ろうとしているのは、まじめに精進しているアスリートである力士たちです。このような姿勢だけは御理解ください。\(__ )
posted by koichi | 04:14 | スポーツ | comments(1) | trackbacks(0) |
報道機関は独自の取材で報道します
   場所の開催についてのコメントもついているので、これも対応しようかと思っておりますが。言い残さなければならないことを優先します。

 日本相撲協会広報関係のみなさん。

 今日の特別調査委員会のリリースは、武蔵川理事長に理事長代行の推薦を行った事実だけです。誰を推薦したかについては、リリースの中では明らかにされておりません。

 しかし、報道機関は実名での断定的な報道をしています。

 これが、正しい報道か誤報か、それは、次の日本相撲協会のリリースで明らかになるでしょう。

 報道機関は独自の取材をしていますから、リリースで明らかにしていない内容でも確信があれば報道します。

 もちろん、時々、「確信」が間違っていることがあります。27日の評議員会で、日本相撲協会が行った「上申書」を再度取り直すという報道などはその典型例です。正しくは、「特別調査委員会が全協会員を対象に改めて調査を実施する」です。

 広報としては、リリースした事実を越えて報道されることを知っておいて欲しいのです。先を読んだ広報活動が必要なのです。


posted by koichi | 21:43 | スポーツ | comments(0) | trackbacks(0) |
日本相撲協会臨時理事会・臨時評議員会で理解いただきました
 ぎりぎり本格的な消火活動を開始できました。

 最初のボタンの掛け違いから数日後の18日、私は、日本相撲協会からの依頼で、特別調査委員会委員の候補者として、事態収拾=消火活動に入りました。

 18日から消火活動を準備し、21日から部分的な消火活動に入りましたが、本格的な消火活動のための準備
(最初のボタンの掛け間違いのフォローのための調査活動)をしながら連日マスコミ対応(部分的な消火活動)を継続するという状態が続きました。

 しかし、その間に、部分的な消火活動にもかかわらず、火事の勢いは、どんどん増してしまいました
(ボロボロでてくる疑惑の力士の名前)。
 
 このままでは当初の本格消火活動の開始日である7月4日では、事態が収拾できないと判断せざるをえなくなりました。

 そのために、特別調査委員会は、
6月25日には、理事会、評議員会を繰り上げて開催を要請しました。

 そして、6月27日から、本格的な消火活動を開始しました。
 第1弾が、6月27日の特別調査委員会の勧告
 第2弾が、6月28日の理事会、評議員会

 この一連の流れは、急激に火勢を増す状態に対して、他に選択肢がない対応でした。

 ただ、日本相撲協会のみなさんには、何がどう展開しているのか、見えにくかったと思っています。
 
 本来の手順のいくつかをとばしていることは理解をしておりましたが、
燃えさかる火勢を消化するための非常事態でやむをえない処置をここ数日強行しました。

 最終的には今日の理事会と評議員会で、非常事態であることと、この措置は他に選択肢がないものであることは理解してもらえたと思っています。
 
 日本相撲協会のみなさん。

 この非常事態ですので、私がしていることが、「暴走」に見えるとは思っています。

 私は、最も守らなければならないのは、若い力士たちを支えることができる日本相撲協会であり、次に守らなければならないのは、力士の修練の評価をする場所の開催。

 私の守るべき優先順位は、この順番で揺るぎません。この点だけは信頼してください。この2つをまもるために譲らなければいけないものがあれば、譲っています。

 明日の日本相撲協会を守るためにどうしても必要なのですから。


posted by koichi | 22:18 | スポーツ | comments(2) | trackbacks(0) |
ほんとうにごめんなさい
 現在は北の湖部屋所属の力士を謹慎としました。

 特別調査委員会では、予断をもって議論をしないように、力士の氏名が入っていない、匿名リストで、調査対象力士の中から謹慎すべき力士を選ぶ作業をしました。

 この作業で、現在北の湖部屋の力士を謹慎相当としました。

 しかし、この力士は、元木瀬部屋であり、木瀬部屋時代の監督責任が問題となる事案でした。
 
 正しくは、木瀬親方を謹慎とすると発表しなければならないところ、匿名リストで判断したため、元木瀬部屋ということがわからないまま、北の湖親方を謹慎とするという誤ったリリースをしてしまいました。
 
 親方の一人から指摘されて、すぐに事実関係を確認し、途中で訂正を入れましたが、午後8時頃までは誤報のままでした。

 この件で、
今朝は、八角親方に朝早くから、北の湖親方の御自宅の電話を教えてもらいました。まずは電話でおかみさんに謝罪し、さらに北の湖親方の連絡先を教えて頂き、移動中の親方にも謝罪をしました。

 おかみさんは、友人の方から訂正前の報道を教えられ、心配していたということでした。誤ったリリースで、心配されていたのではないかと思っていましたが、やはり心配があたってしまいました。

 これは、きちんとおかみさんにも謝罪しなければと思い、国技館に行く途中で北の海部屋を訪問し、おかみさんに改めて謝罪しました。

 
伊藤、村上、吉野各特別調査委員会委員にも早めに国技館においでいただき、理事会前には、北の湖親方御本人にも面談し、伊藤、村上、吉野各特別調査委員会委員と共に謝罪しました。

 北の湖親方は、鷹揚に、おかみさんからも聴いているからと言われてホッとしています。

 非常事態の中でドタバタしていたとは言え、北の湖親方本当に御迷惑をおかけしました。申し訳ありませんでした。\(__ )


posted by koichi | 21:46 | スポーツ | comments(0) | trackbacks(0) |
日本相撲協会広報関係の方がたへ
 真実を報道して欲しいと言うのは、広報担当の願いだと思っています。

 この非常事態の中で、陸奥、八角両親方は本当に奮闘されています。

 ワイドショーで、陸奥親方のことをゴチャゴチャ言っているというのを、介護施設で働いている娘から聞きました。

 私が隣にいても、陸奥親方は本当につらそうです、根が正直なのでしょうね。私は、特別調査委員会の一員という立場もありますので、陸奥親方のフォローに入ってはいけない立場なのですが、おもわずフォローしちゃいました。

 弁護士仲間からは、「あれはイメージが悪い」と評判が悪かったのです。確かに、陸奥親方は誉められることをしたとは言いませんが、そんなにひどいことをしているわけではないのです。

 陸奥親方自身が、自分でキチッと回答すればいいのに、カメラの前では、いくじがなくて・・・。思わず「大関でしょ」と声をかけたくなる位です。というのがあの映像の背景です。

 もう、カメラの前で舞い上がってしまい、何も考えられない状態だったのです。
 
 今から考えると、もう少しほっておいて、舞い上がってしまってることを視聴者にわかってもらう方が良かったのに、早く手を差し伸ばせすぎたかなと反省しています。
 

posted by koichi | 01:02 | スポーツ | comments(0) | trackbacks(0) |
報道機関への再度の感謝
   日本相撲協会特別調査委員会の臨時の広報担当として、幹事社と特別調査委員会委員に感謝です。

 そもそも、日本相撲協会の広報を補強に入りながら、特別調査委員会の一員をし、その広報を担当するというのが、無理な設定なのですが、何とか一週間乗り越えました。

 特別調査委員会の各委員には、忙しい方々ばかりの所へ、私から、国技館へ呼びつける形となり恐縮しております。

 21日の理事会を乗り越えれば、少しは落ち着くと思って、22日は体制を甘く見ていたので、ドタバタしてしまい、「厳罰報道」のミスリード(私としては誤報と言いたいところですが・・・)につながったので、22日以降は、伊藤委員長、山口委員、吉野委員、村山委員に忙しい中、国技館においでいただき報道機関との対応をしていただきました。感謝しています。

 おかげで、広報担当としては、報道機関と話をするときに、「これまでの日本相撲協会の広報よりサービスが良いだろう」と言って、いろいろな問題の解決の端緒を作らせて頂きました。

 今日も、特別調査委員会の「入り」(会議室に入るところの画像)を取りたいという要望でしたので、その要望に応えました。

 何かおかしいのです。委員がバラバラに会場に出入りするのを撮影しているのですが、テストではなく本番で撮影しているようでした。
 委員がバラバラに来るのをそれぞれ撮影して使うの???と思って、「委員が一斉に『入り』」になる方が「画」になるんじゃないの」とカメラマンに尋ねると、「一斉に入るのが良いです」と一様に答えました。

 それなら委員は、別な部屋で待機して一斉に移動すれば良いだけです。段取りの問題ですから、委員にとっては、数歩の歩みが多いか少ないかの違いです。お互いが過ごしやすいように思いやりがあれば、スムーズに処理できるのです。

 日本相撲協会の広報関係の職員のみなさん。このレベルの思いやりで
スムーズに広報活動できるのです。私もどれだけ言い残せるかわからないので、このブログ読んでおいてね。
 
 これだけ言うと、また日本相撲協会は報道関係に譲歩しすぎを言われるかも知れません。

 私の一方的な思い入れかも知れませんが、今日は幹事社に無理を御願いしましたが、気持ちよく対応してくれました。

 実は、北の湖部屋の力士の監督責任を問うとのリリースをしたのですが、木瀬部屋時代の問題だったので北の湖親方の責任を問うとの当初のリリースは誤りでした(北の湖親方、広報担当としてチェックが不足していて本当に申し訳ありません。深くお詫びします。明日、御電話し、面談の上謝罪します)。

 途中から、賭博をしていた当時の木瀬部屋の親方である木瀬親方に差し替えたのですが、全社に個別に連絡をする訳にもいかないので、幹事社に訂正を御願いをしましたところ、気持ちよく訂正配信を手配をしてくれました。

 感謝しています。

 別に、幹事社の「義務」ではないのですが、気持ちよく、各社に配信してくれて、好意と思っております。

 この好意には、好意で報いたいと思っています。

 そういえば、日本相撲協会との関係も、恩を受けた大西祥平先生への恩返しだったな、と思う夜でした。


posted by koichi | 23:49 | スポーツ | comments(0) | trackbacks(0) |
日本相撲協会特別調査委員会
 本日は日本相撲協会特別調査委員会でした。7月場所を開催できるか否か、ギリギリのところの選択で、場所を開催するために苦渋の選択をしたのが、本日の特別調査委員会です。日本相撲協会の執行部には、本当に受け入れにくい勧告になっていると思っています。

 私は、日本相撲協会から依頼を受けて特別調査委員をつとめている弁護士ではありますが、それを越えて、相撲を愛している相撲ファンの一人です。

 七月場所を開催しないという選択はありえないと思っています。
 これまで精進している多くの力士が、力をためす場所を無くすなどという選択肢は100%とれません。一方、世論とかけ離れた形で七月場所を開催すれば、今度は日本相撲協会が存続しなくなってしまいます。

 そのために日本相撲協会が払う犠牲は少なくないですが、ここまでやらないと日本相撲協会の明日がないという確信をもっています。
 私が日本相撲協会のためにこれまでいろいろやってきたことは、親方たちは見てくれていると思いますが、このような厳しい選択を日本相撲協会に受け入れてもらうための信頼を十分形成するには、10日間は短かったです。

 日本相撲協会員や職員のみなさんは、これまでも、日本相撲協会を守るためにやっているという私の姿勢は評価してくれていると信じていますが、今回の特別調査委員会の提言は厳しいと感じているでしょう。私を「文部科学省の手先」と思っている気持さえあるかもしれません。

 でも、日本相撲協会を守るためにはこの選択肢しかなかったのです。

 私が、日本相撲協会の仕事をあとどの程度できるかはわかりませんが、仕事をしている間は、引き続き、がんばります。

 記者会見をしていてうれしいことがありました。
 途中で、私が、まだ公開できない資料を見ざるを得ないときに、カメラマンが、その資料を写そうとして、横に回り込もうとしました。それを、やめるように制止してくれたのは、ベテランのカメラマンです。この部分だけでも、日本相撲協会と記者クラブとの間の信頼関係ができたとうれしく思っております。
posted by koichi | 19:42 | スポーツ | comments(0) | trackbacks(0) |
報道機関への感謝
 この間、日本相撲協会と報道機関との関係については、マイナス部分の指摘をせざるを得なかったのですが、大勢としては日本相撲協会と報道機関との関係は、改善が目に見えて進んでいます。

 社団法人日本雑誌協会とは、本日、踏み込んだ話をさせていただきました。関係正常化の基本的な合意ができたと考えています。細部については課題が残っていますが、これも解決可能と思っています。27日の特別調査委員会の記者会見には、ぜひ社団法人日本雑誌協会の加盟社にも参加してもらいたいと、私は願っています。記者クラブにもその旨伝えてあります。

 今日も、映像畑で目に見えて様々な問題の解決が進んでいることについて、感謝の意を込めて、東京写真記者協会スポーツ専門委員水戸保夫さんに握手を求めてしまいました。私は、私と約束をしたことを誠実に実行してくれた水戸さんを信頼しています。

 日本相撲協会の広報が、どうしたらいいのか迷ったら、このような信頼に足るベテランジャーナリストの意見を率直に聴いたら良いのです。私と同じように・・・。

 私が、日本相撲協会の従来の枠組みにこだわらず、新しいことを(ほとんど、かってと言うか、暴走と言うか、執行部の意向にそっているとはおもえないのですが・・・)やっているのを、日本相撲協会の若い親方のみなさんが見てくれているのがうれしいです。

 私と同じやり方をするようにとはいいません。

 私のやっていることを見ている日本相撲協会の若い親方々が、私がやろうとしていることを知って、私と同じやり方でなくても、相撲ファンに理解してもらえる広報を考えてくれるならば、これ以上の歓びはありません。

 私が、事実上日本相撲協会の広報部長代理をするなど異常な事態なのですから。

 私自身もここ1〜2か月は非常事態なので、張り付きますが、それ以上は面倒を見るつもりもありません(みる余裕もありません)。その間に、日本相撲協会に自立をしてもらわないと困ります。

 報道機関の方々は、基本的に(多数は)正義感にあふれていて、信頼の対象であるというのが私の信念です。

 この点は、今日の記者会見の伊藤特別調査委員会座長の話で納得しています。統計学的な手法から言えば、どのような対象でも「ハズレ」が一定の確率で生じるということから、日本相撲協会の不祥事についても、この統計学的な部分があるという説明でした。これを応用すると報道機関にも同じことが言えます。

 確かに、私の業界でも、一定の確率で、問題が生じているのは事実であり、「弁護士だから信用した」という訴えに、「弁護士だからといって信用してはいけません」という回答をするのは辛いのですが、真実です。 

 報道機関の一部に問題があると言って、その全部を切り捨てるというのは誤りであるというのが、私の信念です。

 わかってくれるジャーナリスト魂のある報道関係者が多数であるというのが私の立脚点です。これに答えてくれる相撲関係の多くの報道関係者には心から感謝しています。

 私は、この誠意あるジャーナリストに対しては敬意をもって、心を開いて、誠実に付き合いをしたいと思っています。

 昨日のマナー違反の記者は社会部の人でした。今日は姿も影も見えません。さすがに、新聞社として迅速に適切な対応がなされたのだなと納得しています。

 今日は、ワイドショーの関係者と思われる人が、また、掟やぶりで訪ねて来ていますが、無視を決め込んでいます。これが一つ目のイエローカードです。次は、社名を確定してレッドカードをだします。

 この非常事態ですから、しばらくはドタバタあるかと思っていますが、相撲関係で毎日顔を合わせている報道機関の方々を私は信頼をしています。
 
 報道関係との真の意味での良好な関係を維持するためには、日本相撲協会対してもいろいろ意見はします。日本相撲協会に対する苦情は何時でも受付ますので、遠慮無くお申し出下さい。

posted by koichi | 22:28 | スポーツ | comments(1) | trackbacks(0) |
典型的なワーキングプア
   昨日、日本相撲協会で打合せをしている時に、事務所から携帯電話にE-mailが入りました。

 被疑者国選弁護(所持金103円の若者の万引き事件)を担当しているのですが、担当検事から、至急電話を欲しいというメッセージでした。
 何事かと思い、打合せを中座して、担当検事に電話をすると、「明日起訴猶予で釈放する予定だけど・・・・」という連絡でした。

 高校卒業後は、自動車関連工場で働いていて、プログラミングの仕事をしていた人です。基本給16万円という給与体系でありながら、長時間の残業をこなして、30万円以上の給与を得ていたのですが、ストレスから胃潰瘍になって2度病気治療で欠勤をしたら、それを理由に解雇されたそうです。

 「なぜ、その時おかしいと言わなかったの」と尋ねると、他にも仕事はあるだろうと楽観していたそうです。

 しかし、リーマンショック後の不景気で、なかなか定職に就けませんでした。不安定な仕事を転々としていたのですが、最後の会社から「もう仕事がない」と言われた時には、会社借り上げアパートに住んでいたので、そこを出ざるを得ず、住まいがなくなり、住所不定に。

 父とは死別し、母からは児童虐待を受けて、児童養護施設で育ったという経過があるため、家族の援助を受けられないという事情もありました。

 逮捕事実の万引きも、どう見ても、警察に保護を求めるためにやったような印象です。

 このような人ですから、「釈放されてよかったね、さよなら」というわけにはいきません。

 釈放時には検察庁に行き、保護観察所で、当座の移動費などを得て、社会福祉事務所に繋いで、当面の住居と生活費と仕事を確保する段取りを組まなければなりません。

 そうでなくても、日本相撲協会の関係でメチャクチャな日程になっているところに、「25日10時、東京地方検察庁に行くの・・・・・」。

 刑事事件で困るのは、基本的に自分で動かなければならず、代理がきかないのです。なんとか遣り繰りして、10時には東京地方検察庁に行きました。

 保護観察所の担当調査官が、なかなか配慮がある方で、色々なアドバイスをしてくれました。

 その後は千代田区の社会福祉事務所を訪ねました。ここも親身に相談にのってくれました。
 結論としては、路上生活者自立支援センターを経て、自立を目指すことになりましたが、空きがないので、とりあえず、寝泊まりするところとして低額宿泊所の現物支給を受けることになり、
 寝る所
 金〜日の食費3,000円
 南千住(低額宿泊所)までのメトロの切符
をもらい、九段下⇒秋葉原までは一緒に地下鉄に乗り、送り出しました。
 
 典型的なワーキングプアです。
 就労意欲があるので、
ちゃんとした仕事さえあれば、自立できるのに、職がないために生活保護を受け、国家財政が一層厳しくなるという、国の貧困化の原因の一つでもあります。
 
 過労死しそうな長時間労働を放置せず、厳しく規制することで、雇用を創出してワーキングプアを無くし、生活保護受給者を減らすという政策がすぐれていると私は思うのですが・・・。

 ところで、この国選事件は、私のところに来ている現行64期司法修習生のための事件ですが、修習生は本日は研修旅行・・・。私が、修習生に代わって、生活保護申請同行制度を勉強したしだいです。(;。;)


posted by koichi | 20:38 | 社会保障・生存権 | comments(0) | trackbacks(0) |
「開放的で透明性の高い広報」への質問に答えます
 「もう一度広報担当として」への疑問に答えます。
 「『開放的で透明性の高い広報』がどうして、日本相撲協会に有益なのか」という疑問がよせられました。

 これは私の説明が足りませんでした。\(__ )

 
今回のように社会的に注目の高い事件で、
      「答えない」、「記者会見しない」
という閉鎖的な広報をするとどうなるかというと、記者が社に、「日本相撲協会は何も答えませんでした」などと報告してすむはずがありません。記事を取ってくるように叱られるでしょう(見たことはありませんが・・・)。

 そうするとどうなるかというと、関係者への個別取材を、それも執拗にやらなければならない。

 他社が個別取材で情報を得て先んじた報道をすれば、抜かれた他社の記者は、立場がありませんので、同じように個別取材をエスカレートする。
 という悪循環を繰り返し、執拗な個別取材をうける日本相撲協会関係者にとって不幸なことになります。もっとも、透明性を高めても個別取材が全くなくなるとは思えませんが、質的にも量的にも十分差異があると思います。

 もっと悪いのは、材料を得られなければ、記事を出さないという選択肢はありませんから、記者は追い詰められて、確たる材料が無いまま、推測で記事を書かなければならなくなります。そうすると不正確な報道がなされて、これまた日本相撲協会のためになりません。

 それならば、日本相撲協会を説得して、報道機関が紙面を作ることが可能な記事の素材を提供することで、マナー違反の個別取材の自粛と推測記事を防止する方が日本相撲協会のためになると思っています。

 本来なら、特別調査委員会は、中間報告や最終報告で答えるべきものであり、調査中に情報を開示するなどというのは異例なことは承知しています。
 しかし、現在の状況下では、特別調査委員会が、7月4日まで、何のリリースもしないなどという対応をしたら、推測記事だらけになってしまいます。さらに、調査担当の弁護士は、記者に張り付かれて調査にも支障が生じます。
 そこで、私は報道機関に対しては、特別調査委員会の調査担当の弁護士の活動に対して妨害となるような行為を自粛を要請し、一方で、調査に支障がない範囲での情報提供をするという立場から、特別調査委員会の中で相談をしながら、一定の情報開示をしています。
 
 私は、個別取材には応じないと宣言をし、この約束は全報道機関に守ると誓っています。ですから、私を追っかけても何もださないから、必要なら記者会見の場で質問するように言っております。

 それでも執拗に追い掛けてくる報道機関はありますが、何も出しませんので、追い掛けていない報道機関のみなさん安心してください。

 ある執拗な報道機関の記者には、2度中止を勧告していますが、今日もどうして知ったのか、私の自宅の前で張り込んでいました。こういう記者に限って記者会見では何の質問もしません。私が最も嫌いなパターンです。

 この記者もこのブログを見ているでしょうから、次にやった時には「社名を特定して、おかしい」と指摘させていただきます。日本相撲協会以外に私が関係している競技団体と深いつきあいのある報道機関であっても、例外とはしないつもりです。

 質問への回答からそれてしまいましたが、報道機関の方々が、私の考えているところに理解をしていただけることを願っています。
posted by koichi | 23:53 | スポーツ | comments(1) | trackbacks(0) |