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@パークス法律事務所
へばった
 3月26日から助成金問題全日本柔道連盟第三者委員会としての活動が、仕事の半分。それ以外の事件の関係者すみません。少し遅れています(_ _)。

 柔道では、5人の委員・2人の補助者(弁護士)がフル回転で事案解明を進めるも、関係する人々のスポーツ振興センターの助成制度の仕組みについての説明が異なり、制度の仕組みを解明することに時間がかかりました。スポーツ振興センターで行った夕方からの会議などは、施設の最終退去時刻まで夕食も抜きで議論・・・などということもありました。

 個々の助成金受領者の問題(これは最終報告に)以前の、スポーツ振興センターの助成制度の設計上の問題と全日本柔道連盟の組織としての問題を中間報告としてまとめたのが4月26日。⇒これまでの第三者委員会として日本相撲協会にも提言をした経過がありますが、公表を勧めたのですが、採用されませんでした。この点全日本柔道連盟はエライ!!

 一方で、日本体育協会・日本オリンピック委員会・日本障害者スポーツ協会・全国高等学校体育連盟・日本中学校体育連盟という5団体共催の「スポーツ界における暴力行為等根絶に向けた宣言文」作成委員会のとりまとめが4月中に行われ、 「スポーツ界における暴力行為根絶に向けた集い」 が4月25日。私もシンポジストの一人。

 これまでも、日本体育協会のスポーツ指導者の講習会などで「暴力はダメだ」という話をしても、参加者の反応は、冷ややかなものでしたが、この集会は違いました。

 日本で中学〜大学時代を過ごし、その後アメリカのナショナルチームの一員として活躍し、メダリストでもあるヨーコ・ゼッターランドさんが、自身が目にした中学時代の対戦チームの監督の選手に対する暴力の事実を語る時に、1分近く絶句。中継があれば放送事故かという状況でした。

 バドミントンで1998年アジア大会優勝などの記録を持つ米倉加奈子さんはメリーゴーランドの話を淡々と・・・。普通の人は、遊園地のメリーゴーランドがイメージに来るが、米倉さんは、監督に髪の毛を捕まれてグルグル回しにされることがメリーゴーランド・・・・

 この2人の発言に会場が凍りつきました。

 自身の被害体験を語るのが辛い、思い出すのもイヤだという中でヨーコさんと米倉さんが貴重な話をしていただけたことはほんとうにありがたい話です。

 これで、会場に来ていたスポーツ関係者の空気が変わりました。参加していた友人の弁護士が、その前に、何人かの報告者(その一人が私ですが)が、スポーツにおける暴力は許されないという強いメッセージを発信していたので、ヨーコさんと米倉さんの話につながったと言ってくれました。その意味で私の発言も「呼び水」効果ぐらいはあったかなと思っています。

 友人は、「捨て石」という表現を使いましたが、捨てられるのは淋しいので、「呼び水」でいかせてください。

 2月19日の 「アスリートの尊厳を守るためのシンポジウム」 では、私は競技団体に対して、きついもの言いをしましたが(後にもう少しマイルドな言い方がなかったと反省・・・)、このような形でキチッと答えてくれた中央競技団体に感謝します。

 ところで、このシンポジウムの打合せ中に、日本水泳連盟の泉専務理事から連絡が。スポーツ緊急仲裁での支援要請。水球の事案です。日本水泳連盟には、顧問の藤井弁護士(和歌山)がいらっしゃるのですが、緊急仲裁のため、和歌山からでは「時間がない!!!」ということで応援要請です。

 チームスポーツの代表選考の最初の事案ですので、チームスポーツの代表選考全体に影響を与える可能性があるので、日本水泳連盟の内部の問題にとどまらないので、慎重に対応しなければならないので、大橋弁護士・松本弁護士という若手にも加わってもらいました。

 「手伝います」と日本水泳連盟に答えたのが4月25日の「スポーツ界における暴力行為根絶に向けた集い」の打合せ後。

 4月26日の助成金問題全日本柔道連盟第三者委員会の中間報告を終えて、日本水泳連盟で関係者と顔合わせをしたのが4月26日夕方。

 27日〜30日の連休前半全部を使って準備作業で5月1日の審問です。5月1日の審問は10時から始まって17時過ぎまで。 仲裁判断 がメール添付で送られたのが審問終了後の21時。疲れました。連休前半全滅でした。

 日本水泳連盟は、千葉すず選手の事件以来、いろいろ工夫を重ねており、水球でも、一時は、選手のパフォーマンスを点数化して客観化しようとした時期もありましたが、なかなか数値化することに成功しませんでした。今回の事件は、選考対象の範囲(国内・国際競技大会・強化練習)の問題でのアスリート側の不満でした。結論は、日本水泳連盟の制度の不備はないとの結果となっていますが、このような不満を残さないようにさらに制度を工夫する必要はあるのでしょう。

 トップアスリートは、目標としている大会への出場を目指しているのですから、代表選考の結果を気持ちよく受け入れられる環境を整備することに助力をしたいと思っています。

 このような視点から、選手の不満がどこにあるのかを正確に把握することが大事かと思っています。私自身、このような視点で審問にも臨みました。

 日本水泳連盟には、日本スポーツ仲裁機構で現行制度が是認された点よりも、選手から不満が提示されている点を重く受け止め、より良い制度にしていく努力を御願いしたいと思っています。これからも制度の整備に援助をしていきたいと思っています。

 ということで、3月26日から昨日(5月1日)まで全力疾走を続けた私は、平日ですが、今日は1か月ぶりに半日・午前中(全日でないところが悲しい・・・)お休みにさせていただいております。
posted by koichi | 10:38 | スポーツ | comments(0) | trackbacks(0) |