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@パークス法律事務所
岩手県は広い
 岩手県教育委員会から講演を頼まれていました。テーマは、「一人一人の生徒が輝く運動部活動の指導を目指して」です。

 電話では、日時だけ調整していました。場所は盛岡と思い込んで請けていましたのですが、・・・

 今日依頼状が郵便で届いたところ会場は、「金ケ崎」!!スタート時刻は14時。

 新幹線の駅はどこだ!

 電話で岩手県教育委員会に確認したところ「水沢江刺」が最寄り駅。地図を見ると会場はそこからはるか先。「新幹線の駅でピックアップしてくれるよね」と確認したら、ピックアップしてくれるとのこと。一安心。

 この企画は、3枠(別な日)あり、私の前にプロ野球OBの小宮山悟さんが講師をする研修会と、私の後に筑波大学山口香さん(柔道)が講師をつとめる日程も掲示されていました。会場は、それぞれ大船渡と久慈。いずれも14時スタート。

 一応往路だけ調べて見ましたが、14時スタートに間に合う電車は次のとおり。






 私は一日仕事だけど何とか日帰りで日程組めるけど、小宮山さんや山口さんは日帰りでは厳しいかな?
 改めて、岩手県の広さを実感しました。
posted by koichi | 13:04 | 日々雑感 | comments(0) | trackbacks(0) |
教員と教育行政の皆さんに考えて欲しい
   またまた、プール飛び込み事故訴訟に関わることになりました。

 事故が起きたのは2011年6月21日。場所は小豆島。中学校2年生が体育の授業中で事故に遭いました。スタート台直下の水深は満水時で約1.1m。こんなところでスタート台から競泳のスタートを試みることがいかに危険かは、私のホームページを見てもらえれば簡単に分かるはずなのですが・・・。

 被災者の代理人は、高松の小早川弁護士と和田弁護士。私は後方で助言をするだけにするつもりでしたが、昨年末に原告の代理人に加わりました。

 訴訟外の解決を助言していたのですが、小豆島町が昨年提示した和解案の内容を聞いて、「プツン」と切れました。こんなひどい対応をする地方公共団体にはきちんと理解してもらわないといけないという思いです。

 現在、文部科学省は、「学校事故対応に関する調査研究有識者会議」を設置して調査と議論を進めています。学校や地方公共団体が、学校での事故が生じた後の対応について適切でなかった事例があったことから、どのような対応が必要かを検討しています。池田小学校事件で子どもを亡くされたお母さんや加古川市で起こった熱中症死の調査委員をされた大学の研究者が委員です。

 私も、委員の一人です。文部科学省は、私が厳しい意見を言うことを承知した上であえて委嘱したと話しています。文部科学省も懐が広い!!。

 小豆島町の対応は、和解案として
第1に、頸髄損傷による四肢麻痺が生じており、後遺障害等級第1級(労働能力100%喪失、常時介護必要)である事案について、逸失利益の算出で後遺障害等級第7級(労働能力喪失率56%)として提示!!
第2に、過失相殺4割を提示!!
でした。その外にも問題はありますが、この2つはあまりにひどい!!

 どんなにひどい損害保険会社でも、こんな提示はしません。
 この話を聞いて、私のこめかみはコミック的には「###」という状態。「小豆島町はけがをした子どもとその家族にケンカを売ってるのか!」という感想でした。それなら、きちんと「ケンカを買って」何が正しいのか白黒をはっきりさせないといけないという思いで代理人に就任しました。

 これまで、スポーツ事故があった後の対応について、私は、被災者側だけでなく、施設の側や指導者の側で対応もしてきました。私が施設や指導者の側で対応してきた経験に照らせば、小豆島の対応は本当に稚拙です。事故が起こった後の施設や指導者の側の対応で必要なのは、損害賠償が第1選択肢ではありません。その前にやるべきことがあります。
 必要なのは、
第1に、詳細な事実関係の確定、
第2に、事故原因の分析と解明、
第3に、再発を防止するための措置、
第4に、事故の発生に責任を負う者がいる場合には、公正な損害の填補です。

 私は昨年、あるスイミングスクールの飛び込み事故について被災者側から相談を受けました。この事案は、私がよく知っているスイミングスクールで生じた事故でしたので、被災者の了解を得た上で、スイミングスクールに助言をして事故報告書を作成させました。スイミングスクールが作成した事故報告書は、当初は十分な内容ではなかったので、私が4回ほど推敲を指示して、その上で説明会を実施しました。説明会後の被災者の両親の最初の一言は、「最初から、こうしてもらえれば、望月弁護士のところにいかなかったのに・・・」でした。

 私は、スイミングスクールの支配人に対して、思わず、「私が言ったとおりでしょ!」と言いました。初期対応が十分でないから被災者は不満を抱くのです。この事件は、円満に解決し、被災した子どもは、スイミングスクールへ復帰しています。

 小豆島は、第1ないし第3についても、十分でありません。この点は、別の機会に紹介したいと思っていますが、第4の「公正な損害の填補」という概念が、私とは全く相容れません。

 頸髄損傷で四肢麻痺になっている事案で、逸失利益を後遺障害等級第7級で算出するなどというのが、これまでの判例の主流であるなどという意見の弁護士はどれだけいるのでしょうか?

 学校の先生が危険性を認識していないために、日本水泳連盟の公認プールの最低水深1.35mに満たない水深の浅いプールでありながら、スタート台からの競泳のスタートを禁止していなかった事案で、中学2年生がスタート台から競泳のスタートを試みてなぜ4割の過失相殺がされなければならないのでしょうか?4割の過失相殺が公平だという根拠はどこにあるのでしょうか?

 私は、小豆島の和解案を聞いて、直ちに、小早川弁護士に連絡をし、「私が正式に弁護団に加わって、きちんと対応したい」と申し出ました。

 訴状は、損害の計算書を除く本文で100頁。責任論の最終ページは56頁。私は、責任論の起案を担当しました。これまでのプールの構造の変遷と教育行政歴史が、プールでの飛び込み事故を繰り返し起こさせたことを明確にしています。柔道事故も同じ構造です。学術誌に投稿する気持ちで訴状を起案しました。

 今年も愛知県でプールでの飛び込み事故で大けがを負った中学生がいます。

 なんで、こんなに、同じ過ちを繰り返さないといけないのか!!

 何人の若者が重篤な後遺障害を負わなければならないのか!!

 私の心は怒りで一杯です。

 全国の教員と教育行政職員のみなさん。

 私は、皆さんを信じています。

 子どもが傷つけば一番心を痛めるのは本人とその家族。
 でも、その次に、心を痛めるのは教員と教育行政の皆さんだと、私は信じています。

 教員と教育行政の皆さんに問いかけます。

 学校とスポーツ現場での事故を繰り返さないことと、紛争化させて二次被害を生じさせないために力と知恵を集めませんか?
posted by koichi | 14:25 | スポーツ | comments(0) | trackbacks(0) |