2017年11月18日に開催された「Fun Trails 100K Round 秩父&奥武蔵」で、参加者が登山道から滑落死亡する事故が生じた。
残念な報道で、事故原因の解明と再発防止の措置が講じられることを願っている。
私は、事故が生じた時の誤った対応として、「猪突猛進型」、「石橋叩いても渡らず型」の2つがあることをかねてから指摘してきた。
「猪突猛進型」は「スポーツでケガは避けられない」との認識から、事故原因の解明と再発防止の措置も講じないままで、事故を繰り返す対応。
「石橋叩いても渡らず型」は、事故原因の解明と再発防止の措置を考えない点では「猪突猛進型」と同じだが、出口は「そんな危険なことは止めてしまおう」ということで、結論は正反対となる。
後援をしていた飯能市、飯能市教育委員会、一般社団法人奥むさし飯能観光協会、毛呂山町、秩父市、秩父観光協会の内、秩父市は「『死亡事故はあってはならない』とし、今後大会にはかかわらないことを決めた。」と報道されている。
報道(東京新聞2017年11月23日埼玉版)だけでの評価は慎重にすべきと思うが、
○ 秩父市が「事故があったことは翌日の新聞紙上で知った。大会の二日後に主催者側から状況の説明を受けた」という点を問題にしている点はそのとおりだと思うが、
○ 事故原因の解明と再発防止の措置について十分検討されて様子がないまま、「石橋叩いても渡らず型」の対応で「今後大会にはかかわらない」と決定しているならば、これには賛成しがたい。
後援をした地方公共団体である秩父市には、死亡事故を起こした大会を後援した団体の一つとして、どうして事故を予防できなかったのか、また、「事故原因の解明と再発防止の措置」を考えるの責務があり、この責務に応える事故後の対応を望みたい。