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@虎ノ門協同法律事務所
引っ越し秘話
 虎ノ門一目再開発の関係で事務所の移転となりました(新しい事務所はこちら⇒ )。

 2月27日(土)に荷物が移動するというのがコア。

 事務所全体としては、2月25〜6日(金)が梱包。2月28〜29日(月)が梱包材の整理。という日程としました。あらかじめ、事務所スタッフは28日(日)は休日出勤の要請。

 ところが、私は、25日(木)は熊本県教育委員会で講演。その晩は、熊本泊まりでしたが腰痛がひどくなり、一応26日(金)の一便で羽田まで戻ったものの事務所直行は断念。一旦自宅に戻って、少し休んでから事務所に行こうとしたのですが、×。夕方事務所にSOS.「代わりにやっといて!」。←実に無責任!!

 27日(土)は痛み止めを飲んで岩手県高等学校野球連盟での講演。日帰り。28日(日)は午前中はダウン。午後から整理に。私の優秀な秘書や他のスタッフ、同僚の弁護士の援助でなんとクリアしました。

 以上のような経過で、私自身は、2月29日(月)〜3月5日(土)は片付けで手一杯。

 3月3日(木)締め切りの原稿がありましたが、申し訳ありませんが、片付け優先。なんとか昨日3月12日(土)に入稿です。

 事務所移転時のトラブルで言えば、前歴があります。2004年、医学系の学会で「中高年のスポーツ事故における法的責任」のテーマで報告するために、ホテルの幹部職員となっていた大学同級生に依頼して国際会議場の隣のホテルに泊まりました。ところが、そのタインミングで、当該ホテルの個人情報流失に伴う非常事態対応に応援部隊として入ることとなり、大阪で3日間居残りとなったことがあります。大阪に居残れたのは、引っ越しのための日程を3日間確保していたから。

 それでは、引っ越しをどうしたかというと、新旧事務のスタッフに急遽連絡して、パッキング⇒送付⇒梱包をあけるという作業を、休日出勤で対応してもらったのが2004年11月です。事務所移転にはトラブルがつきまとっています。

 もう移転作業はいやだ!!
posted by koichi | 16:02 | 日々雑感 | comments(0) | trackbacks(0) |
2020年東京オリンピックは「オワコン」になるのか
  今年も残すところ1週間を切った。

 ブログの更新に手が回っていなかったが、土曜日早朝から仕事ということで、少し余裕感があっての投稿。

 今朝(2015年12月26日)の朝日新聞で知らない単語にであった。それは、「オワコン」。

 日本特有の和英合体語の省略表示で「終わったコンテンツ」という意味だそうだ。←不勉強で今日初めて知った。

 編集委員の稲垣康介氏の「聖火は照らす」という企画記事の中の一つ「五輪は『オワコン』か?」との見出しの記事である。

 記事の内容は、オリンピックへの警鐘。

 IOCバッハ会長の母国はドイツ。ドイツは、2022年冬季オリンピック招致でもミュンヘンが住民投票を行い、反対が上回って立候補を断念した。さらに、2024年夏季オリンピックに名乗りを上げていたドイツ北部の都市ハンブルクで招致の是非を問う住民投票が行われ、「反対」が過半数を占めて、2大会続けて辞退となった。これが、今風の言葉で言うと、ドイツでは五輪が「オワコン」になったのか。という記事である。

 ドイツだけではない。2024年夏季オリンピックに名乗りを上げていたボストンも住民の反対で撤退が決まっている。

 人ごとではない。
 2020年東京夏季オリンピックは2013年9月には招致が決定した。しかし、その後2014年11月、IOCは、オリンピック・アジエンダ2020を示し、招致・開催費用の削減、オリンピック競技大会のすべての側面での持続可能性の導入、男女平等の推進、クリーンな選手を守るための活動、スポーツと文化の融合の促進、コンプライアンスの徹底等の提起した。

 このあらたなIOCの提起に答えられる2020年東京夏季オリンピックにすることができるのか、あるいは、2020年東京夏季オリンピックも「オワコン」となってしまうのか。2016年は正念場となる。
posted by koichi | 08:15 | スポーツ | comments(0) | trackbacks(0) |
ドクターストップ
 昨日は、東京都軟式野球連盟、今日は日本体育協会で、それぞれ2時間の指導者講習会を担当しました。
 
 これからがオフシーズンとなるスポーツが多いので、講演ラッシュです。先ほど、事務所まで戻りました。

 Webの記事を見たら、羽生結弦選手の件を契機に、国際スケート連盟が「ドクターストップ」のガイドラインを整備したことが報じられています。

http://www.hochi.co.jp/sports/winter/20151030-OHT1T50103.html

 当然の対応ですが、他の競技団体はどうしているのでしょうか。

 日本では、脳振盪に厳しい競技団体ではマッチドクターに判断させています。チームドクターでは、チームの勝利のために選手を十分に守れないとの判断です。高校野球の全国大会でも医師は常駐して、「ドクターストップ」制度があり、大会期間中に、涙を流して出場継続を訴える選手にストップをかけています。

 選手が負傷しても、自らプレイ続行を希望しない場合は稀であり、ドクターストップ制度は当然です。

 スポーツ事故判例を見ていると、指導者が負傷した選手あるいは硬膜下血腫の発症が疑われる選手に対して、「大丈夫か?」と尋ね、選手が「大丈夫です!」と答えてゲームを続行させて重大事故となったケースがあります。

 スポーツ指導者の力量が問われます。


 
posted by koichi | 17:10 | スポーツ | comments(0) | trackbacks(0) |
日本企業は捨てたものではない
 私のブログは、7月から3か月も更新されず、放置状態でした。

 これには、それなりの事情(ブログの更新より優先すべき仕事山積み)があるのです。

 編集者には怒られそうですが、本当はこんな投稿をせずに、10月末の締め切り原稿に向かわなければいけないのです(入稿間に合うかな・・・・)。

 先ほど、友人の弁護士からこのサイトを知らされました。

https://www.cataloghouse.co.jp/company/cm/?sid=top_cm

 一企業として、正論ではあるが、圧力も多いだろうと想像するので、正論派で大胆なのか、あるいは、私のような普段情報発信をしない人間でも拡散するという広告のツボを押さえた企画か・・・・。

 全国から国会に駆け付けている人々がいる中で、私は、国会の近くの虎ノ門で仕事していながら、国会周囲活動に全く参加できていません。先日も懇親会に来ない友人弁護士に電話したところ、「今国会前にいないで、懇親会!!」としっかり叱られました(その後の、天候で応援にいかなくてもすんだという後日談です)。

 こんな立場の者としては、「日本企業もなかなかじゃん!!」と感動を覚えたので、原稿書きを中座しての投稿です(編集担当御容赦を)。


posted by koichi | 22:58 | 日々雑感 | comments(0) | trackbacks(0) |
裁判所の常識は国民の常識?
 家裁の相続関係事件で、裁判官の指示ということで書記官が申し訳なさそうに戸籍の追完の連絡をしてきました。

 被相続人の祖父母に当たる方3人の生存の有無がわかる資料の追完を求められています。この3人以外の方で相続人となる可能性となる方は、全員死亡していることはもちろん戸籍謄本添付で明らかにしています。

 求められている3人の死亡を公文書で確認できておりませんが、お生まれになった情報で現在判明している事実は以下のとおり。

 お一人は、安政3年(1856年)生まれであり、現在生存しているとすると158歳となります。

 残りのお二人は、現在生存(もう30年以上前に逝去)していれば119歳となる(明治29年(1896年)生)方の御両親です。私が調べた訳ではありませんが、関連資料では、地方公共団体が、「戸籍保存年限経過により照会不能」と報告している事案(この報告書は入手していますが、この報告書の基礎資料は手元に来ていません)。

 日経新聞は、
(1) 今年の4月1日の日本最高齢の117歳の方がなくなったこと、
(2) 今年の7月7日には、男性最高齢の112歳の方が亡くなったことを報じている。

 3人は、生存していればいずれも新聞報道で日本最高齢と報道されている人よりも明らかに高齢。

 安政3年(1856年)生まれの方は、4月1日になくなった方よりも39年前に生まれています。

 明治29年(1896年)生まれの方が、両親14歳の歳に生まれているとすると(戸籍実務上生殖能力の最低限度の年齢)、両親が生存していれば133歳であり、
4月1日になくなった方よりも16年前に生まれている。
 
 「本当に追完が必要?」と一応は書記官に検討を御願いしましたが、どうなることやら・・・・・・。

 私の判断は戸籍を追うまでもないのでは?

 戸籍を追う手間は私が我慢すれば良いのだけれど、その費用は裁判所ではなく、依頼者や関係当事者が負担するのだけれど、その費用負担を強制する合理的な理由があるの?

 というのが私の疑問です。

PS:先ほど担当書記官から電話連絡があり、戸籍は追わなくても良いとの連絡ありました。やれやれ・・・。2015/07/17 14:07
posted by koichi | 13:31 | 日々雑感 | comments(0) | trackbacks(0) |
感謝!!
  七生養護学校の先生や保護者の皆さんの事件では、私は直接代理人ではありません。それでも、このような寄せ書きをいただきました。





 私は、この事件と根を一つとする「東京都教育委員会の障がい児教育の攻撃の一貫としての元都立七生養護学校校長に対する降格・懲戒処分を取り消した判決」の原告代理人でした。

 弁護士の仕事をしていて、依頼者から感謝をされることは本当にうれしいことです。原告と原告の支持者のみなさんの心遣いに本当に感謝です。

 事務所の相談室に寄せ書きをしばし置かせていただきます。

 このような細かい気遣いができる先生たちだから児童・生徒たちの心をつかめるのですよね。

 話は変わりますが、昨日は、第二東京弁護士会スポーツ法政策研究会でした。今治市の小学校でサッカーボールが道路に出たことで生じた事件がテーマでした。私のスタンスは、危険な施設を使用せざるをえない状況で、教師に安全に指導をしろというのは誤りである、あるいは、危険な施設を使用せざるをえない状況で、児童・生徒に事故を回避する義務を科すのは誤りである。私は、このような視点で発言をしています。教師や児童・生徒に無理難題を押しつけているのが現在の教育行政ではないでしょうか。

 児童・生徒のことを本当に考えると、教師の方々に児童・生徒と接する時間を保障してあげることが大事なのではないのでしょうか?

 「児童・生徒のために」というキーワードでは、否定できる仕事はありません。でも、教師だって、1日は24時間しかありませんし、1週間は7日しかありません。その中で、重要度を判断して「児童・生徒のために」必要なことを優先順位をつけて、優先順位が低い仕事を切り捨てても、児童・生徒と接する時間を確保することが必要なのではないでしょうか?

 「報告を教育委員会に上げさせることよりも重要なことがあるのでは?」という視点に立ってもらいたいと思います。

 報告を求めることは必要です。でも、教育委員会の免責のために報告を求めるという姿勢ではなく、教師のできる仕事量を考えて、本当に必要な報告を厳選して欲しいというのが私の希望です。

 各自治体の教育委員会、とりわけ東京都教育委員会には考えて欲しいと思っています。
posted by koichi | 22:34 | 障がい児教育 | comments(0) | trackbacks(0) |
スポーツドクターのみなさんへのおたずね
 スポニチは7月5日、以下の報道をしています。

見出し⇒「水泳帽で躍動!磐田の“鉄人”桜内、緊急搬送2日後にフル出場 」

 本文⇒「(略)DF桜内は“鉄人”だった。2日の紅白戦で、MF井波と激突。横たわったまま頭部から血を流し、左手親指を脱臼して救急車で搬送された。それからわずか 2日後。「戦える気持ちがあったので監督にぶつけた」。ホチキスで傷口を止め4針縫った頭部と左手にテーピングを施し、水泳帽で固定してピッチに立った。

  すると前半11分、右サイドから決定機を演出した。「ピッチに立った以上は逃げるプレーはしたくなかった」。MF松井にボールを預けると、ペナルティーエ リア内へ侵入。右足を振り抜いた。同31分にもライナー性の惜しいクロスを送った。前半とは一転、劣勢に回った後半にはCKから同点に追いつかれたが、最後まで走り抜いた。

 今季はチーム内で唯一、全節にフル出場中。無尽のスタミナを蓄えるために、夜9〜10時の間には就寝するのが日課 だ。「上(J1)に行くためには一番大事な時期」。前半戦最後の試合をこう位置づけていた男は、出番に穴をあけなかった。下位相手に苦い結果で終わった が、個人で不屈の精神は見せた。」

 ちなみに7月2日の試合をスポニチは次のとおり報じています。

見出し⇒「磐田にアクシデント…紅白戦で3人負傷 桜内は頭部強打、救急搬送」

本文⇒「磐田イレブンに2日、アクシデントが襲った。4日のホーム熊本戦に向けて紅白戦を開始した直後だった。今季チームで唯一全試合フル出場中のDF桜内がMF井波と競り合い、頭部を強打。さらに倒れる際に左手の親指も脱臼した。

  顔面上部に血腫ができた井波は自らの足で練習場を引き揚げたが、桜内は横たわったまま動かず。その後大久保グラウンド内に救急車が入り、浜松市内の病院へ と搬送された。さらに再開後にはDF藤田が接触で歯を強打し離脱。藤田は試合出場に問題がない見込みだが、続けざまに3人が負傷し、練習場は異様な空気に 包まれた。

 病院へ同行したスタッフから連絡を受けた加藤久GM(59)によると、桜内の意識は「クリアで問題はない」状態だという。検 査結果は3日にも判明する予定だ。チームきっての運動量と身体能力の高さを誇り、右サイドバックながら5月31日徳島戦から3戦連続弾もマーク。攻守で欠 かせない主力となっていた。離脱後の紅白戦の代役はDF駒野やDF小川らが務めた。」

 脳振盪の危険性に警告を発しているラグビーやアメフトのチームドクターや医・科学委員会のメンバーの常識とは乖離した対応のように思えるのですが・・・・

 これを「美談」として見過ごすことはできないのではないでしょうか?

 Jリーグのチームドクターのみなさんの間ではどんな議論になっているのでしょうか?
posted by koichi | 08:30 | スポーツ | comments(0) | trackbacks(0) |
市民マラソンフォーラム2015
パネルディスカッションの22日前にE-mailでパネリストとして参加して欲しいと要請があり、ちょっと逡巡したのですが、6月20〜21日に、東大で開催された「市民マラソンフォーラム2015」にシンポジストとして参加してきました。



 参加し
ようかどうかまよったのですが、その際に考慮した事情。

(1) もう2か月以上週末に満足に休めていない!!←パスしたいなーー。

(2) 日本スポーツ法学会2代前の会長である森川貞夫先生の紹介←不義理がしずらいな?

(3) かねてから交流のある小出監督がパネラーを受けているのに私がでるのに断るのもなー←これも不義理がしずらい?

(4) 弘山晴美さん、松本翔さんのようなランナーの意見が聞けるのは貴重だなー←これは聞きたい!!

(5) 一発選考にできない要は、競技団体のマネージメントの在り方なんだから、川口さんのようなテレビコンテンツの制作現場の意見を聞けるのは貴重だなー←これは聞きたい!!

 主催者のお一人のお考えは、一発選考は無理だという前提で、複数大会での相対評価指標を確立するということが重要だとの内容でした。

 私の意見はちょっと異なりました。現状が満足できる者でない点は共通。しかし、一発選考は難しくないし、一発選考にすべきだというのが第1提案、主催者の提案は私の第2提案というところです。

 代表選考にあたって考えるべき要素は次のとおりです

第1 個人競技もチーム競技にも共通な要素

1 選考基準の明確化・透明性
 (1) 選考基準の事前の公開
 (2) 基準の明確化 : 直近の大会を重視するのか次のオリンピックを見据えるのか

2 公正なジャッジ←ハンドボールの「中東の笛」は許さない

第2 個人競技に固有な要素

1 本番と可能な限り同じ条件での選考(一発選考が原則)

2 複数の選手選考大会を総合的に考慮せざるをえないならば、本番と可能な限り同じ条件下とした場合のタイムの換算化方法を事前に明示して、これを前提として、アスリートにどの大会を選択するかを選択させる方法

第3 チーム競技

 多層的な選考での公正さの確保⇒(例)‖緝輯篤、強化委員会、M事会

 マーケッティングの件で言えば、代表選考と全く関係ない、しかも全国区でさえない(単なる関東の大学だけ)で競っている箱根駅伝があれだけ視聴率を取れます。

 一部は代表選考と関係ある東京マラソンですが、視聴率の点から、代表選考の大会の一つであることがどれだけ視聴率に影響を与えているのでしょうか。

 要は、競技団体のマーケッティング能力の問題なのです。

 日本陸上競技連盟は、自らのマーケッティグ能力をさらに磨いて一発選考の方向に切り替えれば良いのです。

 もう何年も前から批判されているにもかかわらず、現状を変更しようとせずに、アスリートに様々な負担をかけているというのが日本陸上競技連盟の現在の対応ではないですか?というのが私の意見です。

 率直な言葉で語る私なので、文部科学省も競技団体も「望月はケンカを売っているのか」と思いたくなる気持もわかりますが、ここは懐の広い対応で、「スポーツを本来あるべき姿にするためには、『慣性の法則』だけではなく、自ら変革していく姿勢が必要だと(望月は)言っている」と気持ちよく(無理かな?)受け止めてもらえればうれしいです。公正公平な選手選考を行おうという目標地点は共通だと信じていますので・・・(^0^)
posted by koichi | 14:38 | スポーツ | comments(0) | trackbacks(0) |
体罰根絶への道-文部科学省体罰実態調査が示すもの
季刊教育法185号(2015年6月25日発売)が刊行された。これには、私の「体罰根絶への道-文部科学省体罰実態調査が示すもの」とのタイトルで、文部科学省が2013年8月9日に公表した「2012年体罰の実態把握について(第2次報告)」を分析した報告が掲載されている146-157頁)。


 分析の結論は、

(1)体罰発生率が、国公私立の間でも、また、都道府県の間での差異がある。都道府県の間の差異は、児童生徒数比率で比較すると30倍にも及ぶこと。


(2)同一都道府県の中でも、小学校、中学校、高校の間で差異があること。小学校、中学校、高校のいずれかあるいは複数で体罰率が低い、あるいは高い、などの結果が見られること。←これらがどのような要因であるのかのさらなる研究が望まれる。


(3)中学校・高校の体罰数が多い要因一つには運動部活動の場面での体罰が多いこと。


をそれぞれ指摘出来た。

 今後の課題としていくつか上げたが、最後に指摘したのは、教員養成大学の課題である。

「体罰を行った教員は特定の大学に多いという声が聞かれるが、この点は基礎資料が十分でない。そこで、文部科学省は、体罰を行った教員の出身大学について追加調査を行い、その調査結果を教員養成大学へ提供し、教員養成大学自身が、体罰に頼らない指導ができる教員養成の在り方を検討することが必要である。」

 教員養成大学−とりわけ体育系教員養成大学自身による検討が必要なのではないだろうか。

 都道府県教育委員会、市町村教育委員会、各学校の管理者の方々は、この報告から自県、自市、自校に何が必要かも考えて欲しい。
posted by koichi | 13:12 | スポーツ | comments(0) | trackbacks(0) |
プールでの事故予防と紛争を深刻化させないための対策
 京都新聞は、2015年6月10日、京都市教育委員会が、全市立小学校166校のプールに録画用カメラを設置したことを報じた。

 京都市立小学校で2012年7月に1年の女児がプールで死亡した事故の第三者委員会が、事故が発生した場合に備えて、事実関係を明らかにするために、カメラの設置・録画を求めていたことを受けての対応。予算は1200万円。

 京都市の運用方法は次のとおりである。

(1) 通常の体育の授業では作動させず、事故時のような夏休みの水泳指導日に録画する。

(2) 夏休み中にある地域への開放日も協力を呼び掛けて録画する。

(3) 事故がなければ映像はその日のうちに消去する。

 交通事故における事故原因をめぐる紛争を回避する目的で自動車にドライブレコーダーを設置する例が増加しているが、基本的に同じ発想である。事故が生じた「後」に事実関係を確定するためには有効だろう。

 しかし、通常の体育の授業でも溺水の可能性はあるし、授業外で市や府の大会に出場するためにスタートの練習もする場合の事故の態様の解明は必要ないと考えているのか。

 京都市はどのような理由から(1)の運用に限定したのかは報道からは不明であり、結論としては賛同できない。さらに学校での事故はプールだけでは無い。校舎内、体育館、グランドなどはどのような検討がされたのであろうか?

 市議会では、「録画されることは、子どもや教員の負担になるのではないか」との指摘があったことも報道されている。

 撮影されていることについては、利用者やその保護者に事前に告知すること、(3)の運用に加えて消去するまでの録画データの管理方法(映像を見ることができる人を限定する、録画データの不正利用などの予防)が十分であれば、この点は問題ないであろう。

 事故が生じた後に紛争を深刻化させないことも重要である。しかし、この点は、優先順位から言えば3番目の課題であり、第1に事故の発生を予防する、第2に事故が発生しても死亡や後遺障害を残さないように対策するという点が考慮されなければならない。

 新聞報道だけでは、第1の点や第2の点にどのような措置が講じられたのか不明だが、これらの点が置き去りにされていないか心配してしまう。

 プール事故は、判例上では9割が溺れる事故か飛び込み事故である。

 文部科学省と国土交通省は2007年3月、「プールの安全標準指針」を公表した。そこでは、「監視員及び救護員」の項で次のとおり述べられている。

・ 遊泳目的で利用するプールにおいては、監視員及び救護員の配置は、施設の規模、曜日や時間帯によって変わる利用者数等に応じて適切に決定することが必要である。また、監視員の集中力を持続させるために休憩時間の確保についても考慮することが望ましい。

・ 監視設備(監視台)は、施設の規模、プール槽の形状等により必要に応じて、プール全体が容易に見渡せる位置に相当数を設けることが望ましい。

・ 飛び込み事故、溺水事故、排(環)水口における吸い込み事故、プールサイドでの転倒事故等、プール内での事故を防止するため、各施設の設置目的や利用実態等に応じて禁止事項を定め、利用者に対し周知を行うとともに、監視員等は違反者に対し適切な指導を行うことが必要である。


 小学校でよく見られる、長水路が25m、5〜6コース(幅12〜15m)、水深1.0〜1.2mのプールを夏休み中に一般開放して小学生が30〜50人程度が利用する場合を前提として、みなさんはプール管理者から次の質問があったらどのように答えますか?

(1) 「監視員及び救護員」は何人必要?

(2) 「監視員の集中力を持続させる」ために、連続する監視時間は?休憩時間は?監視員一人の一日の総監視時間は?

(3) このプールでは「監視台」は必要?必要とするならばどこに何台の監視台を設置する?監視台の高さは?

(4) このプールでは飛び込みを禁止すべき?全面的には飛び込みを許さないとしても、競泳のスタートの練習もしたいという希望に応えるために、部分的に許可するならば、どのような条件が必要?

 これらの質問に対して、エビデンス(根拠)を示して回答できる人がどれだけいるだろうか?

 「安全に注意しよう」では事故は予防できない。事故予防のための行為規範は具体的でなければ意味がない。

 溺れるだけではすぐに死亡はしない。溺れても早期に発見して、救命措置を講じることで死亡や重大な結果を回避できる。日本水泳連盟は、「ジャスト4ミニッツ」という。溺れてから4分以内に発見して救命措置を講じることで、溺れても多くは救命可能である。

 溺れる人を早期に発見するためには何が必要かについて、国が大学などの研究機関に委託して具体的なガイドラインを作成することが必要である。

 魚釣りをする人ならば経験上知っていることだが、水面では光の反射があるので、水面とできるだけ大きな角度(プールで言えば監視台などの高い場所から)で、反射を押さえる偏光グラスを使用しなければ水中の状態は見えにくい。

 このような点で、開放プールの監視に必要なグッズも検討が必要である。京都市では、監視カメラに偏光グラスを加えるという検討もされたのであろうか?

 1960年代前半までに設置されたプールの多くがA〜Cの構造である(文部省「水泳プール建設と管理の手引」59頁、第38図、1966年)。スタート台からの飛び込み事故を防止する点ではAないしCの構造の方が優れているのに、なぜ、文部省は、「手引き」でDの構造を推奨したのだろうか。現在ではほとんどのプールがDの構造となっている。

 
 答は、「経済性が優先されている」というのが理由。

 「手引き」の入手はほぼ不可能である。日本水泳連盟編「水泳コーチ教本(第3版),2014年」464頁に「手引き」が引用されているので、興味のある人はこちらに。

 今年も、プールシーズン。犠牲者がでないことを願っている。
posted by koichi | 14:07 | スポーツ | comments(0) | trackbacks(0) |